一人旅

昔から、一人で旅をするのが好きで、大学にいた頃は自転車で琵琶湖を回ったり、九州を縦断したりした。その当時は海外を一人で旅するよりは日本を旅した方が楽しかった。旅をすると、日本に住んでいるのに、日本のことを全然知らないんだということに気づかされる。行く先々では大抵ユースホステルを利用したり安い旅館を利用したので、そこに一緒に泊まる人や、旅館の女将さんなどと話すこともできる。
水俣で泊まったときは、山の中のぼろい旅館に俺一人しか泊まってなくて、おばちゃんとおばあちゃんが二人で住んでいた。そのあまりのボロさに最初はちょっと不安だったけれども、晩ご飯もちゃんとしたものが出てきて、服の洗濯までしてくれた。ただ、風呂のお湯が熱すぎて、湯船に浸かれなかったのが残念だったけど。次の日の朝食に出てきた味噌汁がなぜか一番心に残っている。朝、出発するときに一緒に写真に入るのを恥ずかしがってたあのおばちゃんたちはまだ旅館を続けられているかな。そうだといいな。別れ際に「友達を連れてまた来て下さいね。」そう言われたが、以後そこに行く機会はなかった。
あ、あと、いきなり低俗な話になるけれども、鹿児島の指宿(いぶすき)でユースホステルに泊まったときに、ちょうど一緒に泊まっていた5人組の女の子と友達になる機会を逃したのが心残りでならない。しかし恥ずかしがりな俺は全く何もできず。マネージャーの奥さんが、「彼女らを連れて砂蒸し風呂に行ってきなよ。」と誘ってくれるも「え、そんなのできませんよ。」とボケた答えをして一人で行った事実は後々まで俺を苦しめた(笑)その代わりにその春からJRに勤めるという同室の兄ちゃんと仲良くなった。まあ俺はこういうのが一番落ち着くんだけど。男子校で培った性質は深く根付いているらしい。
ちょっと感傷に浸りたい気分だったので、少し昔話をしていまいました。久しぶりに酔っ払ったからかな。