Why TSRI

そういえば、なぜ私がポスドク先にScrippsを選んだのか書いていませんでした。結局、イリノイ大学ハーバード大学からもオファーを貰いました。ハーバードでは二つ研究室を訪問しましたが、そのうちの一つはスペースと参加する時期が折り合いませんでした。
理由
(1)日本に近い
(2)気候が良い
(3)研究環境が良い
(4)カリフォルニアに行ってみたかった
※4以外順不同
(1)飛行機で10時間以下で日本に着くなんて夢のようです。
(2)暖かいですね。イリノイもボストンも寒いです。イリノイなんて行った日には、オハイオより寒いです。
(3)確かにイリノイもハーバードも研究環境としては素晴らしいのですが、ただ単に大学のランキングで選ぶのではなく、研究室のボスで選ぶのが重要と考えて、Scrippsの研究室を選びました。「ハーバードに行ったら『俺、ハーバードに行ってるんだぜ』とか言って自慢できるぜ、へへへ。」とかいう悪魔の囁きも無かったとは言い切れませんが。
私が行く研究室は大きな研究室で、ポスドクも15人くらいいるのですが、私が今している研究とはまた違ったバックグラウンド(具体的には化学)を持つ人たちが大勢いるのです。理想的には、彼らから知識を吸収しつつ、自分の考え出したプロジェクトを自由に行いたいと考えています。この研究室は資金も豊富で、ボスも研究内容について個人の希望を重視してくれそうです。ハーバードでは教授が忙しくて学生やポスドクに指導できないわりに、ポスドクや学生同士の協力体制があまり整っていないように感じました。まあ直感的に自分の性格と合わないな、と思ったのが大きいのですが。イリノイではボスもある程度コミットメントして、学生やポスドク同士の協力体制もあるようでしたが、独立した研究を行う能力を伸ばせるという点ではScrippsの方が上でした。
(4)中西部にずっといたので、また全然違う場所に行ってみたかったのです(笑)
ポスドクはやはり自分が今まで得た知識や経験を生かして、周囲の協力を得つつ、新しい研究テーマを独立して(孤立してという意味ではない)行える能力を養う機会だと考えています。大学院でも新しいこと(アメリカに来ること、専攻を変えること)に挑戦したことで、ポスドクで新しいことに挑戦するための気持ちのハードルは低くなりました。当たり前のことですが、一度大きな変化を経験すれば、もう一度何かを大きく変える時に伴う心の負担も軽くなるのです。肉体的な負担はまた別として。